MacStudio導入~Mac Pro2013を現在でも画像処理に使えるマシンに増し増しカスタム~から一年経ってました。~その1~

工場のMacをアップグレードしていった話の前編です。

製版室のMac Proがすでに最新OSに対応できなくなって数年。

MacProが超高額化してしまい、スペック的にもそこまで必要ない。。。

ちょうど良いスペックと価格のマシンがないなと思って悩み続けていましたが、MacStudioなら!と決心をし、導入した話です。

この投稿を書いている時点で、導入してからもう一年経ってしまってますが、最後までお読みいただけると嬉しいです。

シルクスクリーン製版に最適なMacとは?

今回導入するMacStudio、悩んで選んだスペックはこちら↓

Mac Studio
10コアCPU、24コアGPU、16コアNeural Engine搭載Apple M1 Max
64GBユニファイドメモリ
1TB SSDストレージ

前面:USB-Cポート x 2、SDXCカードスロット x 1
背面:Thunderbolt 4ポート x 4、USB-Aポート x 2、HDMIポート x 1、10Gb Ethernetポート x 1、3.5mmヘッドフォンジャック x 1

CPUは?
製版でメインで使うアプリ、Adobe Illustratorは、パスを扱うのはシングルコアの性能に依るらしい。Macの場合、CPUのシングルコア性能は、Appleシリコンマシンである限りはどれを選んでも同じです。(導入当時はM2チップは発売されていませんでした。)

(コア数は、動画処理など並列処理を必要とする作業はほぼしないので、そこまでこだわらなくても良い。手頃なところで。)

なので、選ぶ基準としてはメモリを積める量で決めることに。

メモリの量は?
16GBでは少なすぎ、32GBでも物足りない現在では、余裕を持って使うなら64GBはほしい。特に現在のMacは後から増設できないので、今後数年使用することを考えると、64GBは譲れない。(それ以上になると高額すぎて断念)。となると、M1ノーマルだとメモリが16GBまでなので、M1 Maxの65GBあたりか。

内蔵ストレージは?
ストレージは2TBは欲しかったが、2TBにすると価格が跳ね上がるので、節約の為、1TBにする。内蔵ストレージにはアプリやシステムデータを。製版データ保管等は外付けストレージを追加することに。外付けのUSB-C接続に期待。

この条件だとMacBook Proも選択肢に入るが、特にモバイルで使用する場面はないし、使わない小さいディスプレイやキーボードにお金がかかっていると思うともったいないので、MacStudioという結論に。(ディスプレイ、キーボードはMac Proのものが使えるはず。)USB-Aポートを始め、ポート類が豊富なのも魅力。

というわけで上記のスペックになり。価格も、10年前に購入したMac Proと同じくらいの価格帯に収めることができた。

開封

箱が意外とでかいが。本体はこの動画のように片手で持てるサイズと重量。この豪華なギミックだけでも満足感↑またAppleにヤラレタ!

毎度毎度、キッティング(機器やソフトウェアをユーザーがすぐに業務で使える状態にする作業のこと)は大変ですが、この、商品到着から開封の瞬間は、(特にApple製品は)キッティング担当者の特権、やっててよかったと思える瞬間です。

この投稿を書こうと思って過去の写真を探してたんですが、動画で撮っちゃってるあたり、テンション上がったんでしょうね。当時。

入れ替え作業開始

製版室にはMac Pro Mid 2010とMac Pro Late 2013がありまして。

今回の作戦では、Mac Pro Late 2013の方を違う部署に払い下げて、入れ替えます。

Mac Pro Mid 2010はSSD化、CPUアップグレード、メモリ増設などのカスタム後、Mac Pro Late 2013に引けを取らないくらいの操作感になったとのことで、製版担当者は付き合いの長いMac Pro Mid 2010のほうがフィーリングが合うそうで、こっちを製版室に残すことに。

(Mac Pro Late 2013のその後については後述します)

Mac Pro Late 2013で使用していたThunderboltディスプレイは、

たかがアダプターとはいえApple純正はもちろん高額。でも数千円でディスプレイを買わなくて済むなら安いものです。

アップル純正のアダプタ Thunderbolt 3(USB-C)- Thunderbolt 2アダプタ

を咬ませることでUSB-C接続でMacStudioで使用できます。(Cinemaディスプレイのミニディスプレイポートは形状は同じだがこのアダプターでは使用できないので注意)

MacStudioはディスプレイの後ろに置けちゃうほどコンパクト。

保存用ストレージを外付け

データ保管用のストレージは、

Type-C USB3.2 Gen2 ハードディスクスタンド HDDケース クレードル 1BAY 3.5インチ 2.5インチ HDD SSD対応

に、Mac Pro Mid 2010から内蔵していたHDDを抜いて、このハードディスクスタンドに挿す。

OSのバージョンが違うことでデータ形式が違ったりして使えないのではという懸念もあったが、MacStudioでもすんなり読み込める。というか、Mac Pro Mid 2010の内蔵SATA接続より反応が早い気さえする。遅かったらSSDに丸々コピーしようかとも思ったが、このままイケそう。USB3.2ってすごいんだなぁ。嬉しい誤算。

その他周辺機器
スキャナー、バックアップのTime Machine用の外付けHDDをMacStudio背面のUSB-Aポートに接続。ThunderboltディスプレイのUSB-AポートにDVDドライブとキーボードを接続。ThunderboltディスプレイのおかげでUSB-Aポートが不足しない。

キーボードは少なくとも10年以上継承している。(もしかしたら僕より先輩かもしれません。)

手前に年季の入ったキーボード。カコカコしたキーストローク深めな先輩。中段、左から、MacStudio、(Thunderboltディスプレイの台座の上に)USB SuperDrive、右奥手前に前述のハードディスクスタンド、右奥にTime Machineようの外付けHDD。
10年近く前のUSB SuperDriveも認識されている。CDとDVDがないので、実際の動作は未確認。。。
ディスプレイの背面。USB-C、USB-Aともに空きポートが数個あるので、今後の拡張性も問題なし。奥のむき出しのHDDがパンク。排熱性が良さそう。

設置してみるとMacStudio本体の圧倒的コンパクト感。Mac Pro Mid 2010はタワー型のため、デスクの足元に置いていたので、足元の自由感たるや!床に掃除機もかけやすい!

Mac Pro Mid 2010からMacStudioへデータ移行

初期設定は、自分が使うならまっさらできれいな中身に新たにインストールしていく方を選ぶけど、製版担当者に以前と変わらない環境を提供したいので、Mac Pro Mid 2010のバックアップのTime Machineから復元を選択する。

注意点として、MacStudioは初起動後、適当に初期設定をし、ソフトウェアアップデートができる状態にして、最新にアップデートした後、移行アシスタントから復元すること。

ディスプレイをiPhoneのカメラで撮影。汚くてすいません。走査線のモアレが見苦しい

残り約8時間37分!!!

今日中に移行は無理かと思わされていたところ、3時間後くらいに見に来ると、移行が完了していた。Mac Pro Mid 2010でもSSD化したときに起動ディスクと製販データなどの保管ディスクは分けていて、起動ディスクとしていたSSDからの移行だったから早かったのかな?

動作確認

ディスプレイの見た目はまんまMac Pro Mid 2010。そりゃそうか。

アプリもほぼそのまま継承できていたような。。。(使えないものもあった気がするけど、記憶に残らない程度だったのか。。。)アプリがAppleシリコンに対応していなくても、Rosettaで使用できた。(と思う。。。)Illustratorの何かのプラグインがAppleシリコン未対応で、IllustratorをRosettaモードで使用することにした気がする。Appleシリコンネイティブモードとパフォーマンスを比較しても体感で違いが感じられなかった。ような気がしたような。。。

ここからが一番面倒くさい作業となるので張り切って作業。

今まで最新版にできていなかったアプリを最新版をインストール。

キーボードショートカット、アクションなどを設定。

各種共有フォルダにアクセスし読み書きできるようにする。

各種プリンタードライバー等をAppleシリコン用をインストール。

新たにPythonをMacStudioで定期実行するため、Pythonの各種ライブラリやVSCodeをインストール。

こちらを参考にさせていただきました。ありがとうございました。

【M1 Pro/Max対応】M1 Mac環境構築ベストプラクティス

@c60evaporator(Kenta Nakamura)

(このあたりは環境にごとに違うこともあり、あまりブログに書いても参考にならないと思いますので、一番大変でしたが割愛させていただきます。)

使用感

パフォーマンスは、なにせ今までが10年前のMac Pro達だったので、良くなったとは感じました。(Mac Pro Mid 2010をHDDからSSD化したときの感動には及ばず。)個々の動作が少しずつ早くなった気がする感じ。(「劇的に!」とか求めちゃダメ)。その積み重ねはトータルタイムにすると大きな差となるのでしょう。きっと久しぶりに昔のマシンに戻ったときに、「こんなに動き悪かったんだ」と思うのでしょう。。。

さらにメモリが64GBに増えたことも大きく、重いファイルを大量に開いても余裕の動作は大きな安心感。64GBにして正解。前述しましたが、USB-C接続のHDDスタンドも動作が早く、さらにストレスフリー。細かなデメリットはあった気がするけど、トータルの安心感、作業性は大幅に上がったと思います。最新版アプリを気兼ねなく使っていける前向きな精神はやる気に繋がるので!

と、この投稿が長くなってきたので、Мас Pro Late 2013のその後については、別の投稿にまとめようと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

MacStudio導入~Mac Pro2013を現在でも画像処理に使えるマシンに増し増しカスタム~から一年経ってました。~その1~」への1件のフィードバック

  1. wow!! 97Claude 3.5 SonnetでGoogle Apps Scriptをカスタマイズ!~Googleスプレッドシートでインクリメンタルサーチを実装してみた~ChatGPTでサクッと解決!!~後編~ウェブアプリ化して公開するの続き

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