
親のスマートフォンを格安スマホからiPhoneへ変更した。
アップデートから見放された古いAndroidスマホから、新しめのiPhone(iPhoneSE第2世代、以下iPhoneSE2と表記)へデータ移行できるのか?
Googleのパスワードが分からない。。。
LINEの認証のSMSが届かない。。。
などの障害を乗り越え、移行成功した話です。
お時間あれば最後までお読みいただけると嬉しいです。
●Android4.4.4でLINEアプリが使えなくなった。
発端は母親のスマホでLINEアプリが使えなくなっていたこと。
(親にスマホを持たせた話は以前↓の投稿を参照していただけると嬉しいです。)
母親のLINEが返信もなく、既読にならず、だったので聞いてみると、9月になったころから急にLINEが使えなくなったとのこと。
たちが悪いのは、他人からは送信もでき、他人のLINE上では、母が既読スルーをし続けているようにしか見えないところだ。
母のスマホは京セラのKC-S301AEという2015年発売の機種で、OSはAndroid4.4.4。
LINEアプリの対応状況を調べてみると、
Android版
LINEヘルプセンター
Android 6.0 ~ 6.0.1:LINEバージョン 11.15.0まで利用可能
Android 5.0 ~ 5.1.1:LINEバージョン 11.5.0まで利用可能
※Android 4.4.4以下の場合、利用ができません
とのこと。
京セラのKC-S301AEのAndroidもアップデートできないようで、LINEを使うには本体を変えるしか無いようだ。
●スマホ本体は。。。
本体をどうするか、である。
私はiPhoneしか使ったことがない。確実な設定や今後のアップデートに対応できるか、などを考えると、iPhone以外はリスクと作業コストが高いように思えた。
コロナ禍であり、老人である親との接触は最小限にしなければならない。
確実性を重視してiPhoneにすることにした。SIMカードの大きさも京セラのKC-S301AEもiPhoneと同じナノシムなので、入れ替えることは可能だ。しかし、iPhoneは中古でも本体代が高い。
自分から機種変を言い出しておいて、他人のための出費が痛い。
我ながらややこしい性格をしていると思う。
そこで、私の兄弟姉妹に、母親のスマホについて、しつこくLINEを送った。
「母がLINEが使えないことは皆の不便になっている」
「家族以外にも迷惑をかけている」
「僕は毎月母のケータイ料金を払っているけど?みんなは?」
という趣旨の内容を何度も送るうちに、
観念した兄から「俺が全額出す」という言葉を引き出すことに成功。これで本体代問題は最高の形(私にとって)でクリア。兄ちゃんありがとう!!
以前の投稿で書いたように父はアンチAppleであるのが問題だが、
父は、母のLINEの不通を家族に報告もせず放置していた負い目を感じていたからか、母のスマホをiPhoneにすることを、私が母にしっかり使い方を説明することを条件に承諾した。
iPhoneの機種は、マスク必須の生活と、老人にハイスペックなモデルは必要ないだろうとのことでiPhoneSE2とした。
●機種変更作戦は。。。
駒は揃ったので、具体的な作戦を練る。
緊急事態宣言が解除(※執筆当時)されたとはいえ、感染対策のため、親との直接の接触は最小限にしなければならない。
事前にできることは、こちらで設定しておくことで、現地ではSIMカード差し替え等の物理的な作業のみで、現場作業が早く済むのではと考えた。
AndroidはGoogle製なのでGoogleアカウントで使用していて、連絡先などのコアデータはGoogleアカウントに紐付いているはず。iPhoneの初期設定後にiPhone内にGoogleのアカウントを追加できれば、連絡先などのデータはGoogleアカウントと同期することでiPhone本体にも入れることができるはず、と思った。
母のGoogleアカウントを確認するため、母からパスワードを聞き、自分のMacのSafariからログインを試みるも、
「パスワードが間違っています」
となりログインできず。
パスワードを再設定しようするが、スマホでの認証を求められる。
父と母に聞いてもスマホには認証の通知は見当たらない。という。
「スマートフォンを持っていません」という選択肢を選んでも、
「普段使用しているネットワークからの接続してください」
となる。
パスワードが再設定できない。。。
ということは、iPhoneでGoogleのアカウントを認証することができず、Googleアカウントとの同期ができない。。。
よくある負のデジタルスパイラル。。。
。。。。!!!
ダークサイドに堕ちそうになったところをグッとこらえて、次の手を探す。

これを試すことにする。
アプリのレビューには歓喜の声や、ダークサイドに堕ちた呪詛の念、罵詈雑言、などの自由闊達な表現に溢れており、総合して不安しかよぎらない。。。

Androidの対応バージョンも4.4以上となっていたので京セラのKC-S301AEでもギリギリで実行可能。。。なはず。。。
(父から、このアプリをダウンロードできたとの連絡を受け、少し安心する。)
しかし、このアプリ。使用するには、移行先のiPhoneは初期状態でなければならない。(すでに使用しているiPhoneの場合、初期化する必要がある。今回は新品のため、何もしない状態のまま。)
ということは、親に会う前にこちらでiPhoneの初期設定、必要アプリのダウンロード等を済ませておくことができない。。。
結局、ほとんどの作業を現地で行うことになってしまった。。。
●作業開始
諸々の用事を済ませ、現地入り。
というのも、最近のiPhoneは充電用のACアダプターが付属していないことを忘れており、それを入手する必要があった。
ライトニングケーブルは付属しているが、ケーブルのLightningじゃない側(アダプター側)がUSB-Cであり、そのままでは両親宅にある機器では使えない。。。
汎用性を持たせるため、直接USB-Cを指すアダプターではなく、USB-CをUSB-A(昔からあるUSB)へ変換するプラグを購入するのがよかろうと。
家電量販店に寄り、該当のものを探してみると、2500円以上と高額!なぜ?
ここでの購入は諦め、(Amazonで検索したらもっと安くコンパクトなものがたくさんヒットした。。。」)とりあえず、自分が普段使っているLightning~USB-Aケーブルを渡すことにする。。。
さらにイヤホンも付属していなかったので、こちらは購入。純正で2200円くらい。iPhoneっぽさを演出する重要な道具である。
駅前で両親から京セラのスマホを受け取り、一旦両親は帰宅してもらい、駅前のパン屋さんの風通しの良いテラス席で作業開始。
手順はAppleのサイトを参考にした。
京セラのスマホと新iPhoneであるiPhoneSE2を同じWi-Fiネットワークに繋ぐ。
自分のiPhoneのテザリングからインターネット共有を使用し2台を同一ネットワークに接続することにした。
移行アプリのレビューに書いてあった肯定的な意見の中から、「移行元のモバイル通信などはOFFにしておいたほうが良い」との記述があったので、京セラのほうのモバイル通信をOFF。さらに「同期」のような箇所もOFFにしてみた。これでモバイル通信はしないはず。。。
手順通りに、iPhoneの初期設定画面で「手動で設定」から進み、先述のテザリングに接続した。その後、「Androidからデータを移行」を選択後、iPhoneにコードが表示される(6桁だったような。。。)
次に、モバイル通信系をすべてオフにした京セラのスマホの移行アプリを起動し、先程のコードを入力。
すると移行先のiPhoneが一時的なローカルなWi-Fiネットワークを作り出し、Androidスマホがそれに接続されると、Androidスマホの画面でコピーしたいデータの種類を選択できる。
今回はGoogleアカウント、ブックマーク、連絡先、カメラロールなどすべてを選択した。


無事iPhoneとAndroidスマホが繋がったようだ。
転送が開始された。
転送中、プログレスバーは順調に進んでいくも、たまに何度かAndroidスマホに「セキュリティを起動しました」のようなポップアップが表示され、不安がよぎる。
セキュリティも切っておくべきだったのか。。。

予想に反し、無事転送完了したようだ。
ヒヤヒヤしていたので長く感じたが、この写真を撮ったときの時間をみると、転送にかかった時間は6分ほど。そもそも京セラのスマホに入っていたデータ量が少なかったからだろう。
iPhone内を確認すると、正常にデータがコピーされていた。連絡先や写真も入っていた。
「メール」にも、すでにGmailのアカウントが追加されている状態だ。
素晴らしい。
しかし、使用するにはGoogleのパスワードが求められる。
やはりこれをクリアするしかない。。。
改めてiPhoneのGoogleアカウントからパスワード再設定を試みる。
「母親の旧姓は?」
秘密の質問がきた。
母にとっての質問なので、つまり母親の母親の旧姓、である。知らない。。。
両親宅に電話し、私にとっての婆ちゃんの旧姓を聞き出し、答えを入力してみたものの、
やはり「京セラのスマホに通知を送ったので、認証せよ」とのこと。
だから、「通知」ってどこの何よ???
京セラの反応が遅いので、どこをどう操作しているのかわからなくなりながら、
どこかをスワイプかタップした拍子に通知(っぽい表示)が出てきた!!!
これか!わかりにくいところにあるな!
30分ほどGoogleを格闘しながら、パスワードを再設定でき、iPhoneの「メール」アプリからGmailの送受信もできた。
ああ!最大の壁を越えることができた!
●そもそもの目的である、SIMカードを入れ替えてLINEを再設定
次はSIMカードの入れ替え作業。
そういえば先程、母からスマホとともに謎の器具を渡されていた。

ビニール紐になどにつける取っ手のようだが。。。

母曰く、つい先日、京セラのスマホの電源ボタンが、ポロリと欠けてしまったそうだ。欠けて電源ボタンが陥没し指では押せないため、この取っ手の突起部分で突く。
という使用法らしい。
格安スマホは部品も劣化するんだな。だからiPhoneは金属を使っているのか。。。
と価格とクオリティの差を実感しながら、取っ手を突き刺し電源を切り、SIMカードを入れ替えた。
APN設定をし、電話の発着信、SMSの送受信をテスト等、動作を確認。
iPhoneにLINEをダウンロードし、アプリを起動。
電話番号を入力し、認証ボタンを押すと、「iPhoneにSMSを送ったのでそれに記載されている認証番号を入力せよ」とのこと。
。。。。SMSが来ない。。。。
何度やっても。
他のSMSの受信、送信はできるので、SMSの問題ではなさそう。。。
何度も認証番号を送信ボタンを押し続けていると、
「しばらく時間が経ってから再度お試しください」
的な表示になってしまう。。。
おいおいおい!
SIMカードはこれ一枚しかないんだから、他人なわけねーだろ!
しかもLINEモバイルで契約しているSIMカードですよ!?
挿すだけで十分でしょうよ!!
と、再びダークサイドに堕ちそうなところをググっと踏ん張り、検索してみる。
SMS以外の認証方法もあるそうだが、このiPhoneのLINEアプリには、「SMSを送信」以外の選択肢が表示されない。。。それもなぜ?
アクセスできないなら仕方ない。。。他に必要であろうアプリ、主にGoogle系をダウンロード、ログインなどして時間を潰すも、すぐにはLINEの「しばらくーーーーーー」が解除されない。。。
そもそもの目的を果たせない不安を感じ、すでにグッタリしつつ、両親宅へ向かう。
道中、京セラのスマホを道路に落とし、画面が割れてしまう。
───アップデートからも見放され、動作が遅い、使いにくいと罵られ、電源ボタンが欠けても奇妙な道具で突き立てられ、最後には画面まで割られてしまう。
役目を終えた満身創痍のKC-S301AE。
ケータイも持たなかった老人が使った初めてのスマートフォン。。。内蔵ストレージは少ないだろうが、もし、我が家族の記念館があれば収蔵したいほどの大きな思い出が詰まっていることだろう。(十中八九、母に捨てられると思うけど。。。)
ごめんね。ありがとう。
何を言っているんだ私は。
懸念だったデータ移行とGoogleアカウントが上手く行った安堵、上手くいくと思っていたLINEの認証に失敗しアクセス制限を受け、本日中にLINEが復旧できないかもしれないという不安、作業中、パン屋さんのコーヒーを何杯もガブ飲みしたことによるカフェインの過剰摂取から奇妙な精神状態になりながら、両親宅に到着。
一通り現状を説明後、操作方法を解説。
アプリの検索、ダウンロードの方法。メールアカウントと送受信。ウェブ検索の方法。入力の切り替え。写真の撮り方。イヤホンの使用法。。。。
など質問に答えながら説明していると、すでに21時目前。。。
夕方から始めた移行作業もすでに夜。もう帰りたい。。。
帰り間際に最後にLINEにチャレンジ。
念の為LINEアプリを一旦削除後、再インストール。
電話番号を入力して認証番号送信ボタンを押すと。。。
来た!!SMSが!認証番号が記載されたSMSが!
最初にLINEの認証SMSが来なかったのは、通信が一番混み合う時間だったから?(LINEモバイルは19時周辺になると遅くなる。。。気がする。。。)果たして、何が悪かったのか、そして何が良かったのか、よくわかりませんが、何とか一日ですべてのミッションを終えることができたのでした。
母もマイナンバーカードの申請をスマホから行うなどの使いこなしっぷりらしく、当人も快適になったよう。思い切って行動した甲斐がありました。
最後までお読みいただきありがとうございました。