親孝行の一元化のススメ〜月額1000円程度の親孝行サブスクリプション

数ヶ月前から親の携帯代を払うことにしてみた。

携帯代と言っても、今は便利な時代で、格安SIMというものがあり、たったの月額1100円である。(記事執筆時の価格)

━━━されど1100円である。開始早々論旨をくつがえしてしまい情けないが、経済が停滞している現在において、少しでも月々の出費を抑えたい今、毎月の出費が増えることになるのである。

そもそもなんでこうなったのかというと、数ヶ月前に父が入院することになったことがきっかけだった。

私の両親は二人暮らしで、父だけが携帯電話(スマートフォン)を所持していたが、母親は携帯電話をガラケー時代から持っていなかった。母は省エネルギーな人なので、それで十分らしかった。

しかし、父が入院という事態となり、しかも無菌室での投薬が必要だということで、看病する立場の母が携帯電話を所持していないことは、病院との連絡や、入院中の父と連絡がすぐに取れないことになる。

子供としては、このご時世にすぐに連絡がとれない、(母はパソコンの操作は問題なくできるので、メールは使えるが、省エネルギーな人間なので頻繁にメールをチェックするタイプの人間ではない。。。)スマートフォン(携帯番号)が無ければ、今や定番の連絡ツールとなったLINEも使えないので、「既読」なのかもわからない。という状態をなんとかしたかったし、なにより病院の方々に不便をかけないか、母との連絡が取りづらくなって不機嫌になった父が病院の方々に迷惑行為をしてしまいやしないか。。。という不安を払拭したかった。

と、人の為のようなことを書いてみたが、私自身の携帯料金も格安SIMに変更して、月々の携帯料金を抑えたかったので、これを機会に、契約や運用面などをテストし、それでよい感触が得ることができたら自分の携帯も通信業者を変えてしまおうという算段となっていたのだった。

通信業者はLINEモバイルにした。

父がLINEモバイルで契約していたので、当然母も同じにしたほうがよかろうと思った。

さらには、私の妹夫婦も大手通信業者からLINEモバイルに変更していて、特に不満はなかったとの体験談もあったのと、LINEモバイルならばメインの通信手段になるであろう「LINE」を使用するのにデータ通信量がかからない(無制限?)ところが決め手である。

一番安いプランはデータ量500MBで600円だが、音声通話ができるプランは500MBで1100円となっていた。

格安SIMはスマートフォン本体を別途用意する必要がある。

もちろんその通信業者から契約と同時に購入することもできるが、それでも数万円の出費である。

それは嫌だった。

────これは親孝行ではない。

必要な通信インフラを低価格で持続可能な状態で提供するミッションである。

兄弟姉妹にそれとなく「母の携帯不所持について」投げかけてみたものの。誰ひとりとして「お金を出す」と言い出す者がいなかった。人生そんなものだ。

何度も言うが私も出費はしたくないのだ。

しかし、低価格でも最高のリターンを得たいのだ。

本体代が0円でクリアできれば、あとは月々1100円のみ。

これで親兄弟姉妹にもデカイ顔ができる。「俺は親に月々お金を払っている」と言うことができる。後々の親族関係も有利にゲームを展開できるだろうし、例えば実家に帰らなかろうが、親族の記念日等に何もしなかったとしても、「まあ、月々払ってるし」という印象があるため不満の矛先がこちらに向く可能性を低くすることに貢献するはずなのだ。

これが月々1100円で手に入るなら高すぎることはない。

スマートフォン本体である。

自分はiPhoneしか使ったことがない。なのでその他のスマートフォンのことがわからない。設定や使い方も教えることができない。

通信インフラを確立するとこがミッションなので、設定から使い方を教えるまでもミッションに含まれるだろう。ならば自分で仕様を把握できているiPhoneを与えるのがベストかと思われた。巷では、機種変して使っていない古いiPhoneを親に与えたという実体験も聞くものの、自分の場合、機種変するときは毎回、iPhoneが壊れた、または壊れる前兆の状態になったときであるので、それも不可能である。修理して渡す、もしくは中古のiPhoneを購入して渡すという考えも一瞬頭に浮かんだが、それではまた数万円の初期費用問題に立ち戻り、親孝行という言葉をさらに深く忘却させるという負のスパイラルへと循環していくのだった。

本体は父のお古のスマートフォンを使うことにした。

なんのことはない。

両親に詳しく聞いてみると、すでに母は父が機種変して使っていない古いスマートフォンをWi-Fi限定で使用しているとのことだった。

出先では父のスマートフォンでテザリング経由で使用しているとのこと。(テザリングとは、スマートフォンをモバイルWi-Fiルーターのようにして、Wi-Fi環境でしか使えない端末をスマートフォンの回線経由でネットに繋ぐことができる機能。LINEモバイルは追加費用無しでテザリングが使える。ちなみに大手通信業者では何故か月々数百円の契約が必要だったりする)

老夫婦の妙なデジタルな絆に感心しながら聞き込みを続けると、母本人としても携帯電話を持ちたいと思っていたとのこと。友人などから電話もLINEのできないのは不便だと言われているので、自分にも必要だと実感していたとのことだった。

話は決まった。

とにかく当座は父のお古のスマートフォンを使ってもらうことにした。

使い慣れているだろうし、わからなければ母が父に聞けば良い。夫婦の良いコミュニケーションになるではないか。

そういえば父はアンチAppleな人間だった。そんな人間の近くでApple製品を使わせたら無用な火種を生むことになってしまうではないか。

とにかくこれでよかったのだ。

早速LINEモバイルで契約し、SIMカードが届いたのでそれを持って母の元へ。

新規番号での申し込みだったので、SIMカードを挿してAPN設定(意味はわからないが初期設定のことらしい)すると使えるようになる。

やはり使ったことがない古いスマートフォンなので少々手間取ってしまったが、なんとか設定できた。LINEの諸々の設定をやった(気がする。。。記憶が曖昧。。。IDとかパスワードとか利用コードとか利用者連携とか。。。)。

正しくできたか確信が乏しかったが、設定後すぐに母の友人知人から「LINE始めたんだね!」みたいなメッセージが続々と届いていたので安心した。

省エネルギー人間かと思っていた母も、舞い込むLINEに嬉しそうに返信していた。

この月額1100円がもたらす親孝行のモヤモヤを抑制してくれる効果を予想以上に実感している。

モヤモヤというのは、親孝行というか、自分もいい年齢になっているのだから、年老いた親には何かしてあげるべきではないか。聞くところによると、自分の誕生日に親に外食をプレゼントするというような人間もいるようで、親孝行は紳士の嗜みというか、逆に親孝行をしないということは、年老いた親を放置する冷たい人間だと思われてはしまわないか。しかし、自分に子供ができて親になってみて実感することは、「親の大変さを実感して感謝する」ということでは決して無く、「ああ、あの親はこういう感情を我慢せずに子供にぶつけてきたんだな」とか「ああ、こういうところをがんばらなかったんだな」という感情が湧いてしましい、どうも感謝一辺倒にはなれない。けれども、それは現在の自分が当時の親同様に未熟であるということなのかもしれない。。。そもそも親孝行より優先すべき課題がたくさんあるのではないか・・・・。

というモヤモヤである。

このモヤモヤから「俺は月々1100円払っている。重要な情報インフラの経費を俺が支払っている。」という事実が大いに自分を支えてくれ、顔を上げてまた歩き出す一助となってくれている。

今回のように携帯代でなくとも、Netflixなどの動画配信サービスとか、Spotifyなどの音楽配信サービスとかでもよさそう。健康食品の定期便でもいいのかも。

というか、紳士淑女のみなさんは、もっと立派に堂々と親孝行できているんでしょうな。

いいなぁ。

さて、母を利用してのLINEモバイルの運用テストもできたところで、いよいよ自分の携帯会社をLINEモバイルに切り替えた。

本体代の残額、母の分の料金などを換算しても、変更前の大手通信業者よりも月々1000円ほど安くなる計算。さらに1年後には本体代を払い終わるのでさらに安くなるはずだとニヤニヤしていたが子供にiPhoneの画面を割られその修理代が2万円ほどかかったというところで、上手く立ち回っていたと自惚れていた自分に人生の厳しさを叩き込んでくれたのであった。

LINEモバイルのテザリング無料がとても嬉しい。

追加の出費無くWi-Fi通信のみの端末を使うことができる。電車内でPCでネットが使えたりするし、町中のフリーWi-Fiは不安だと感じることもあるので、自分のスマートフォンなら比較的安心。

特に子育てでは、出先でNintendo Switchの通信機能が使え、タブレット端末でユーチューブなども観れるので、外にでかけた時に子供を大人しくさせたい場合に大いに助かっている。

しかし、大手はなんでテザリングに追加料金が必要なのかな?

それで通信量を増やしてくれるわけでもないし、「通信の共有」はMacなどには昔からある機能だし、端末の機能であって、通信業者側がなにか特別なリソースが必要とは思えないけども。だって大手の回線を借りている格安SIM業者が無料でできるのに、その回線設備を持っている親元の業者ほうが有料て。。。何かあるんでしょうね。何かね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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  1. ピンバック: Android4.4.4からiPhone SE(第2世代)へ移行した話〜最後まで頑張った格安スマホ KC-S301AEを褒めてあげたい。 | 松栄シルク工場報 Shoeisilk Factory Report prepared by Sakurai

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