なんと。
突然ぶった切ってきました。
Digitalな創作作業には欠かせない存在となっているAdobeのアプリケーション。
それらの過去バージョンの使用を制限しようとするもの。
それも最新から2バージョンしか許さないというかなり厳しい処置。。。
なぜ急に?
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───なるほど。
これは昨今全米を席巻しているKonMariメソッドの影響に違いない。
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今、Netflixで話題の番組、『KonMari〜人生がときめく片付けの魔法〜』をご存知か?
アメリカに渡ったコンマリが、アメリカ人に片付けの精神を叩き込む番組。
とはいえ、ブートキャンプ的なそれではなく、コンマリが問題を抱えたアメリカ人宅を訪問し、片付けの具体的な方法よりも、スピリチュアルなレベルで物と自分と家族と対話して見えなかった家族の問題まで解決!みたいな番組で。
基本はシンプルで、家のものすべてを引っ張り出してきて、それを一つ一つ胸に抱き、ときめくかときめかないかで判断。
ときめかないものは「ありがとう」と言葉を添えて(容赦なく)捨てる。
土地がだだっ広いからなんでも溜め込んでおけるアメリカではそれが神秘的に映るらしく、これが馬鹿受け。らしい。
今回のCC騒動も、きっとコンマリがカリフォルニア州サンノゼのAdobe本社を通訳を引き連れて訪れ、英語を分かっているはずなのに通訳を通してしか喋らず、まずは家の中心で正座して祈りを捧げ、Adobe社員総出でCC、CS6等過去バージョンをガレージから引っ張りださせ、一つ一つ胸に抱かせた結果、あの一覧表が出来上がり、Adobe社員同士の見えなかった思いが見えてきて、人生がときめいてやがるに違いないんだ───。
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冗談はさておき、
ちょっと前に(と思っていましたが、調べてみたら2013年だからだいぶ前でした)規約が良い方向に変更され、
CCの契約をしていれば、過去のCS6まで好きなバージョンをダウンロードして使用することができるようになっていました。
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ところが、数日前に、突然ぶった切り。
ダウンロードできるのは最新の2つのメジャーバージョンのみ。
そのほかの過去バージョンはアドビ様の認定外となり、使用を続けた場合「第三者からの権利侵害を主張される可能性がある」とのこと。
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意味がよくわかりませんが、とにかく穏やかじゃない文言。
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(パッケージ版、買い切りタイプの永続ライセンスのCS6以下を持っている場合は、そのまま使い続けていいっぽい。そもそもネットワークに繋がっていないならアドビに管理されないし。でも、再インストールが必要な場合、インストーラーがダウンロードできなくなっているので、個別にアドビに連絡して、インストーラーを提供してもらう必要があるらしいです。)
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ざっと検索しただけでもユーザーは大混乱の様子。
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「アドビが何か競争中、もしくは権利関係の何かのトラブルが起きそうなので、そうならないように予告なしの対応をした」
「認定外の一覧にIllustratorが入っていないのは?でも、Illustratorだけ無事ってこともありえないでしょう。。。」
「消費者庁に訴える」
「使うのやめる」
などなど
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僕個人的に驚いたのは、CS6ユーザーがかなり多いということ。
CS6が使えなくなるのが大問題らしいです。
プロユースの周辺機材は簡単にはバージョンアップに対応できないようで。
なので、昔のバージョンを使い続けるしかなく。。。
ということはその関係者は同じく古いバージョンを使い続けるしかなく。。。
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松栄シルクでも昔そういう経験をしました。
僕が製版に入った当初、セッターが対応しているのがIllustrator8。
Illustrator8を動かせるのがMacOS9。
OS9を動かすために、OSX上でクラッシック環境を起動。。。
クラッシック環境が使えるのが古いOSXだけで。。。
みたいな、芋蔓式に古いモノを使い続けることになっていました。
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新しいセッターを導入した時に、Illustratorのバージョン関係なく動かせるように設定してもらい、バージョンの呪縛から解き放たれたのでした。
(そもそも、Tシャツへのシルクプリントでは、セッターの機能を活かす必要があまりない。なので、数パターンの出力ができれば事足りてしまうので、バージョン関係なく出力できる設定にすることが可能だった、とも言えます。)
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僕はIllustratorとPhotoshopの経験しかないですが、IllustratorのCS5が使いやすくて、当時最新版だった6はなんかちょっと使いにくいな〜、なんかエラー多い印象だな〜、偶数バージョンは@@@。。。
って感じだった記憶があったので、こんなにも印刷業界でCS6が重宝されているとは知りませんでした。
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このことに限ったことではないですが、古いものが使い続けられているものとは、シンプルで安定していて、慣れているから使いやすい。
だから使い続けたい。
でも、、、今は、、、そう言う時代じゃ無いのか。。。
とにかく全員最新版を使いやがれ!
ってことでしょう?
最新版によほどの自信があるのか。
「スゴイ!新機能!(でも実際これ必要?)」
「なんでコレ無くしちゃうの?!」
みたいなこともありますよ?
確かにアプリケーションの進化はものすごくて、もはや魔法みたいなレベルなことがほんの数手で完了してしまう。0から作る側の人にとっては自由度が上がって、より手軽に高度な表現ができるようになっているように感じる。
問題は、それを受ける側の人で、そのデータを実際の印刷物等に具現化させるには、多くの人と機械を経る必要があるわけで、特にプロユースの超高額な機械はアップデートさせるだけでもそりゃ大変だと思われるわけで。。。
だから、すべてが最新版を!というのは全く現実的ではないのでは。。。
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かといって、CCのサブスクリプション化の時も大騒ぎになりましたが、結局は従うしか無いのが現状で。。。
これからは最新版に対応できない人やモノは淘汰されてしますのか。。。
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そこまでのディストピアにはならないとしても、庶民としてはそれなりの対応をする必要がでてくる。
過去バージョンを使っている人は、バージョンアップが必須となる。
ということは、最新版のCCの可動条件を満たしていないOS、およびPCだった場合は、PCそのものから新しくする必要が出てくることに。。。
うーん。。。大変!!
まだ騒動は起こったばかりなので、我々民の声がアドビ様に届いて、お気持ちが変わる可能性も。。。
いや、だってぶった切ったら大混乱になるってわかってるだろうし、その上でもやるってことは、それなりの覚悟、というか、合理化の権化というか。。。
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この方のサイトが予想される問題等も書かれていて大変参考になりました。
↑では映像ソフトのことが書かれていますが、印刷系でも同じことが言えると思われます。
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周辺機材が対応してない仕事の人たちにとっては本当に大変な事態になっているはずで、この騒ぎ、どうなるのでしょうか。。。
ユーチューバーとかで、「CCの認定外バージョンを使い続けて第三者から訴えられてみた」みたいな動画作ってくれないかなぁ〜