「Tシャツプリントは、質感を持った立体物である。」
という言葉を体現した男がいました。
数年前にある職人が「やってみた」モノが発掘されました。
長台。水性。通常の版、通常のラバーインクで、同じ場所にプリント→乾燥→プリント→乾燥…。をとにかく繰り返した結果。
このようになるようです。
厚膜版とかではなく、通常の膜厚の版、通常のインク、ということは、みなさんが普段見ているTシャツにプリントされた状態のモノが、回数を重ねると、こうのようになるんですね。
↓にメモが残されています。
このメモによると、4色のインクを、この回数分色を変えながらプリントしたということでしょう。
プリントの厚みが増してくれば、それだけクリアランスを調整しながら、不安定になる版を的確に合わせながら、ただただ繰り返す。もちろん手刷りで。
上司が、興味本位9割:練習1割くらいの感覚で軽く放った言葉、
「やってみろ」
の一言を、ただただ実直にやり続けた男。
このルックスからも、任務を守る従順さが伺える。
明らかに自分より人として劣る先輩も、決して見下さず、立ててくれる。
さらに、この男、書く字がとってもキレイ。(上記のメモは、他の人が書いた模様)
ああ、私が日本史に詳しかったら、うまいこと戦国時代の武将を挙げて、その武将に重用されることだろう、とうまいこと喩えたいのに…。
そう、まさに長台の懐刀。
その名は、大河原。
(名前まで侍感あるなぁ。)